メメント森の熊

新卒で県庁に入り、2年半公務員として働いた後、スタートアップ企業に転職してフルリモート勤務をしています。アクセサリーを作って販売もしています。ここは私のスケッチブック。

小倉ヒラク『発酵文化人類学』読んだ

京都で暮らす弟(よくわかんないけど農学部で発酵の勉強とかしてるらしい)の、本棚にあったので、パクって実家に持って帰って読んだ。ちなみに彼の本棚には安部公房の本も何冊か置いてあり、つくづく私の影響を受けまくっていると感じる。

 さて、この本、「発酵」について書いてある。具体的にはお酒の話が多い。表紙がかわいくて手に取ったが、文系で化学をしっかりやったことない私にも、必要なだけの知識を書いてくれてあって、とても面白く楽しい本だった。日本の麹と大陸の麹はすがたや特徴が違って、各地の文化はなんとなくそれを反映したような文化になっていくだとか、興味深い話がたくさん。甲府ワインが生まれるまでのストーリーや、日本酒のイメージが世代によって違うのはなぜか、などなど、化学と文化の間をさかんに行き来して、発酵の豊かな世界を伝えてくれる。あと、ところどころに出てくる絵がキュートだよ。お酒まわりのことについて、一段高いレベルのうんちくを得たい人におすすめ。
読み終わると味噌汁と日本酒とワインとビールが飲みたくなります。良質な暇つぶし読書。あー、化学が勉強したい。